皮膚科 |
 |
赤ちゃん・子供の皮膚症状 |
 |
 |
■赤ちゃん・子供の皮膚はデリケート
子供の皮膚は大人より薄く、乾燥・バイキン・アレルギーにとても弱く、とてもデリケート。自分の顔に化粧水をぬるように、毎日のスキンケアを習慣にしてあげてください。 |
 |
■ステロイドは「使いすぎも使わなすぎもダメ」
湿疹が出ている間は皮膚バリアが働きません。皮膚からアレルゲンが入り込んでアレルギー体質になるリスク・バイキンでトビヒになるリスクも増えます。湿疹があるのにステロイドを使わないのにも問題があります。日頃のスキンケアで湿疹を予防するのが一番です。
|
■「抗菌石けん・シャンプー」の抗菌物質=化学物質
「抗菌作用があるから安心!」と子供用のシャンプーや石けんのコマーシャルで流れていますが、人間の皮膚には「皮膚表面の環境を守る善玉菌」がたくさん住んでおり、それらの働きを阻害するおそれがあります。何より抗菌物質=抗菌作用がある化学物質ですから、皮膚に長く化学物質が貼り付いた状態が続くことになり、かぶれ(接触皮膚炎)の原因にもなりかねません。
不要な抗菌物質を使うのは避けたほうが良いでしょう。
■特に2歳以下では食物アレルギーに注意
口の周りがよくただれる、眼の周りがはれたり痒くなる、体の色んなところに湿疹が出るなどは食物アレルギーの可能性があります。
食物アレルギー治療の大切な点は「適切な皮膚の治療をしても良くならない場合に食物アレルギーを疑う」ということです。
皮膚科での通常の治療でおさまってしまう様な症状なら単にスキンケアがうまくできていないだけかもしれません。検査の前にまず適切な皮膚の治療が優先です。
汗の悩み(手・足・わきの多汗やニオイ) |
 |
■多汗の治療法は? |
1.制汗剤・・・
最も安価で基本的な治療です。市販品で効果があればそれで良いでしょう。当院では塩化アルミニウム制汗剤を調合しています。最初に試してみるべき治療法でしょう。 |
 |
2.安定剤・・・
緊張して汗をかく場合に安定剤の内服が効果的な場合があります。 |
 |
3.胸部交感神経節焼灼術(手のひらの場合)・・・
入院・全身麻酔手術で主に手の汗をおさえます。効果が高い場合もありますが、手の汗が減った分だけ別の場所から汗が多く出る代償性発汗が見られる事もあります。関連病院へ紹介しています。 |
 |
4.イオン導入・・・
水道水を使ったイオン導入が効果があります。設備の有る医療機関があれば、週に1回程度通院することで効果を得られます(岡山市内の医療機関では知る限り行われていないようです)。家庭用の機器「ドライオニック」は効果は劣りますが、自宅で毎日できるため、それなりに効果があります。ただし、日本では保険適応となっていないため、海外から個人輸入する必要があります。ご興味のある方は下記webサイトをご覧下さい。
http://www.drionic.com/Page_J1.htm
(ドライオニックは日本皮膚科学会の治療ガイドラインで推奨され、ご紹介するwebサイトは同ガイドラインで紹介されているページの日本語ページをご紹介していますが、輸入及び使用の判断、管理に関する責任は、その一切が患者さんご自身に帰する事を予めご了承下さい。)
|
 |
5.ボツリヌストキシン注射(手・わきなど)・・・
ボツリヌストキシンという汗を出す筋肉を一時的にマヒさせる注射をする方法で効果は数ヶ月間(個人差があるが平均で4〜6ヶ月程度)持続します。ほぼ誰でも効果がありますが、注射の痛みとやや高額な費用が難点です。費用はコチラをご覧下さい。 |
|
■ニオイの原因は? |
わきや股に多いアポクリン汗腺からの汗が皮膚表面の細菌に分解されてニオイが出ます。 |
|
|
■ニオイの治療法は? |
1.抗菌クリームを使う・・・
「細菌の働きを抑える」のに適度な抗菌作用を持つ消臭クリームを準備しています。 |
|
2.多汗の治療を行う・・・
上記の多汗の治療で汗の量を減らすだけでもかなり改善が見込めます。まずは多汗の治療や塗り薬をしてみて、だめなら手術療法をするとよいでしょう。 |
|
3.手術療法・・・
最も確実なのは「剪除法」です。わきの一部を切開し、アポクリン汗腺を取り除きます。保険適応があります。10日前後の入院が必要です。関連病院に紹介しています。他に「キュレット法」「吸引法」などがあります。日帰り手術ですが、一般的に「剪除法」には効果が劣りますがキズが小さくて済みます。保険適応はありません。関連病院に紹介しています。 |
異汗性湿疹(汗疱性湿疹) |
 |
 |
■どんな病気なの?
手のひら・足の裏に水疱や皮ムケを作る病気でよく水虫と間違われます。季節の変わり目や、汗の多い季節に起こりやすい病気です。
■検査や治療は?
顕微鏡検査や、金属アレルギーの検査などを必要に応じて行います。
汗の管を通す薬や汗を抑える薬、ステロイド外用剤などで治療します。 |
いぼ(ウイルス性いぼ) |
 |
 |
いぼウイルスの感染症で、次第に大きくなり、増えていくので早めの治療がベターです。液体窒素の凍結療法が主体ですが、痛みに弱い方には塗り薬の治療を、また難治性のいぼには手術療法も行っています。 |
魚の目・タコ |
 |
 |
■骨と地面にはさまれて出来る
足の裏の同じ部分の皮膚がいつも骨と地面で圧迫されて、硬くなったものです。狭い靴などで足趾同士が圧迫されて側面にできることもあります。
■治療は?
歩き方のクセで出来るものは、完全に治すのは難しく、定期的に削ります。深い場合は芯を切除することもあります。足にあわせたクツで出来にくくなることもあります。放っておくと写真のように中で内出血をおこし、バイキンが入ることもあります。早めに受診するようにしましょう。 |
円形脱毛症 |
 |
 |
■どんな病気なの?
特に原因なく、いきなり円形に髪が抜けます。ストレスと関係していると言われるがハッキリしません。時に全身の病気と関係しており、皮膚を診て必要なら検査します。
■治療法は?
特効的な治療は無く、飲み薬や塗り薬・紫外線療法・局所免疫療法などで治療します。まれに進行して全部の毛が抜けることもありますが、ほとんどの場合、時間とともに必ず生えてきます。 |
 |
■新しい光線療法=ナローバンドUVB・エキシマランプ
新しい紫外線療法=ナローバンドUVB・エキシマランプ療法が保険適応となっています。
乾癬・アトピー性皮膚炎・掌蹠膿疱症・円形脱毛症・白斑やある種の皮膚癌などでも高い効果が認められています。詳細はこちらをご覧ください。
ただ紫外線には発癌性がありますので、専門医による診断・治療計画が必要です。当院でも積極的に治療を行っています。 |
|
 |
このページのトップ |
 |
疥癬(かいせん) |
 |
■疥癬って?
皮膚で眼に見えない程小さいダニが増える痒い病気で人から人へうつります。
老人ホーム・病院・介護施設など、多くの人が集まり、入浴したり布団で寝たりする所を利用する人、その介護をする身内の人・職員にもうつる可能性があります。
更に詳しい情報は、こちらをご参照されると良いでしょう。
■疥癬の診断・治療
皮膚の一部でダニを顕微鏡で確認してからダニを殺す飲み薬と塗り薬を使います。飲み薬は体重にあわせて処方します。ダニが死んだ後も、ダニのフンや死骸が皮膚の中にしばらくあるのですぐには痒みが治りません。また、周りの人は無症状でも潜伏期間の可能性があるので、うつっている可能性が高いと考えられた場合は一緒に治療をするのが望ましいでしょう。 |
貨幣状湿疹
|
 |
 |
 |
 |
まるいジクジクした湿疹 |
ひざ下・胴体に比較的多い |
放置すると同じようなまるい湿疹が
どんどん増えることがある |
■ジクジクしたまるい湿疹
体のどこにでもできる湿疹で、まるい形が貨幣に似ているため、貨幣状湿疹と呼ばれています。 慢性で治りにくいため、比較的長期の治療を必要とします。
■原因は?
ハッキリした原因はわかっていませんが、ちょっとした皮膚炎を放置したり治らないまま引っかいたりしているとなることがあります。 金属アレルギーと関係している事もあります。
■放置するとどんどん増える!
感染する病気ではないので 「汁がついてうつる」ことはありませんが、湿疹の部分で大量に痒み物質が作られて体中にまき散らされるので、 「同じようなまるい湿疹が体中に出てくる」ことがよくあります。早めに治療が必要な病気です。
乾癬 |
 |
唇の荒れと口角炎 |
 |
■口が荒れたら内臓が悪い?
一口に「唇の荒れ」と言っても非常に様々です。よく「口が荒れると内臓が悪いのでは」と聞きますが、内臓と関係ない場合の方が多いので、他の病気と鑑別をした上で、内臓が悪いものについては必要な検査を行います。まずは専門医での鑑別診断が大切です。代表的な病気を幾つか挙げておきます。
 |
■ごく通常の「口唇炎」「口角炎」
いわゆる「唇の荒れ」です。特に冬に多く見られます。唇表面の水分が足りなくなって、表面のバリア機能が弱って荒れます。通常ではしみないような食べ物や口紅・リップクリームなどでもかぶれることがあります。最近唇の赤い部分の周囲に小さな水疱がたくさんできる患者さんが増えており、ヘルペスと間違えることがよくあるようです。市販のリップクリームにかぶれておきていることも多いようですので、純度の高い精製ワセリンをリップクリーム代わりに使いましょう。皮膚科で処方を受けられます。 |
|
|
 |
■「カンジダ性口角炎」
見た目は普通の口角炎とほとんど変わりません。口の中が乾燥しやすい高齢者に多いですが、若い人でも普通の口角炎と間違えてステロイドの入った薬を連用しているとひどくなる事があります。専門医で菌がいるかどうかの顕微鏡検査を受けることができます。若年者で何度も発症する場合にはエイズなどの免疫抑制を起こす病気が隠れていることもありえます。高齢者では消化管カンジダ症などに発展することもあるので、早めに専門医を受診したほうが良いでしょう。 |
|
|
 |
■唇のヘルペス
唇のヘルペスです。ヘルペスウイルスの感染でおこります。水疱が表面に出ているときに他の人に接触するとうつしてしまうことがありますので注意しましょう。飲み薬が非常によく効きますが、塗り薬でもそれなりの効果があります。詳しくはコチラをご参照下さい。 |
|
|
 |
■舌なめ皮膚炎
唇が乾燥するとつい口の周りをなめてしまいますが、皮膚が荒れている時は唾液は逆に刺激になって皮膚炎をおこします。子供に多い疾患ですが、大人でも口の周りをなめる癖があるとなります。 |
|
|
 |
■扁平苔癬
唇だけでなく、口の中や体、爪などにも変化が出ることがあります。薬害によるもの、金属アレルギーによるもの、ウイルス肝炎と関係したもの、特に原因無く発症するものなど様々なタイプがあります。慢性で治りにくい病気です。 |
|
|
 |
■萎縮性口唇炎
高齢者で多い状態で、長い年月の間に唇の粘膜が弱くなってしまった状態です。熱いものや辛いものを食べるとピリピリと痛みがあります。特効的な治療法はないので、保護剤を塗ったり、ステロイド外用剤を塗ったりしながら保存的に治療します。 |
ケロイド・肥厚性瘢痕 |
 |
 |
 |
■傷跡が盛り上がる
にきび痕や傷などが次第に赤く、硬く盛り上がってくるものです。胸や肩、腕などの注射やにきびの痕、耳のピアスケロイド、帝王切開や外科手術の傷などが代表的です。体質が大きく関係しています。 |
 |
■治療は?
治療は大変難しく、予防がもっとも大切です。内服・外用・注射等で治療します。ケロイド体質の人は手術などの前に主治医に予め伝えておきましょう。また日常生活でも傷が出来たら早めに皮膚科・形成外科専門医を受診してください。 |
光線治療(エキシマランプ・ナローバンドUVB治療)  |
 |
■新しい保険適応の光線治療=エキシマ治療
エキシマランプは、皮膚に有益な光線だけを選択して高いエネルギーで照射する新しい光線治療です。保険適応が認められており、特に乾癬、アトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱症、尋常性白斑、円形脱毛症、ある種の皮膚癌などに高い効果が認められています。
■エキシマ治療は何が今までよりも優れているのか?
(1)照射エネルギー量が高く、従来の治療機器よりも短い時間で高い効果を期待できる
(2)一度当たりの治療時間が短い(10分以上かかっていたのが1〜2分程度で終わることも)
(3)不要な場所に光線があたらないので副作用のリスクが下がる
(4)頭髪の中など、従来は照射が難しかった部位にも照射ができる
■従来からの光線治療=ナローバンドUVB治療
従来からのナローバンドUVB治療も引き続き高い効果が期待できる治療機器です。エキシマとの違いは広い範囲に均一に照射できる点です。
全身の広い範囲に皮膚症状が出現している疾患ではこちらの治療を行うことになります。
|
しもやけ(凍瘡) |
 |
■赤くて痒くて腫れる
寒い時期にでる「皮膚の循環不全」です。やや子供に多い病気です。手・指・趾・耳・頬に多く、赤み・痒み・腫れが出て、ひどい場合には指全体が腫れあがったりします。足の指では靴などで密封されて汗でジクジクしていると悪くなりやすい傾向があります。
■どうすればいいの?
寒いと血のめぐりが悪くなるので、あたためるのが一番です。ストーブやこたつで急激にあたためるより、室内でも靴下やスリッパをはいたり、お風呂にのんびりつかったりして徐々にあたためた方が良いでしょう。マッサージも効果があります(強すぎると逆効果)。治療にはビタミンEや漢方薬の内服や、塗り薬を使います。
■しもやけに似た「その他の皮膚病」に要注意
しもやけとよく似た症状で全く異なる皮膚病が幾つかあります。全身的な病気が隠れている場合もありますので、専門医での診察を受けるようにしましょう。
掌蹠膿疱症 |
 |
塗り薬・紫外線治療など、組み合わせ治療が効果的 |
 |
|
■掌蹠膿疱症とは?
手のひら・足の裏に小さな水疱や膿胞が多発する慢性で治りにくい病気です。水虫と間違われることも多く、顕微鏡検査を行う事もあります。体の関節が痛くなったり、爪が変形する事もあります。 |
 |
■原因・治療は?
体の「慢性の炎症」・金属アレルギーが関係していることもあります。皮膚を診て必要なら検査を行い、症状にあわせてビタミンA・D誘導体・紫外線治療などを組み合わせて治療します。 |
|
■新しい光線療法=ナローバンドUVB・エキシマランプ
新しい紫外線療法=ナローバンドUVB・エキシマランプ療法が保険適応となっています。
乾癬・アトピー性皮膚炎・掌蹠膿疱症・円形脱毛症・白斑やある種の皮膚癌などでも高い効果が認められています。詳細はこちらをご覧ください。
ただ紫外線には発癌性がありますので、専門医による診断・治療計画が必要です。当院でも積極的に治療を行っています。 |
静脈瘤症候群・うっ滞性皮膚炎 |
 |

血管が
もりあがる |
黒ずんだり硬くなったりすると要注意! |
■足に血管が浮いていませんか?
それは静脈瘤といいます。足がむくんだり、皮膚に湿疹やキズができやすくなり、ひどくなると血管の手術が必要です。予防が大切です。
■日常生活でしっかり予防
夜眠るときには足を高くして心臓に体液を返しましょう。立ち仕事・イス仕事が多い方は日中は弾力靴下を履きましょう。中程度のものは市販されています。当院では医療用の効果の強いタイプを準備しています。 |
褥瘡(床ずれ) |
 |

仙骨部はよくできる |

腰の横にもよくできる |
|
■褥瘡はなぜできる?
同じ姿勢で長い時間寝たり座ったりしていると、体重がかかる部分の皮膚の血流が悪くなって皮膚に穴があきます。
体重がかかりやすいお尻やカカトによくできるので要注意です。
■往診を頼むには?
とりあえず地域の皮膚科の医師に相談してみましょう。地域の皮膚科はこちらで探すことが出来ます。当院でも往診を受け付けております(時間の都合上、車で片道10分程度以内の範囲に限らせていただいております)ので診療時間内に電話(086-254-2323)して下さい。 |
女性の抜け毛の悩み |
 |
■女性の脱毛症には様々な種類がある
女性の薄毛にはさまざまな種類があります。30代中盤位から頭頂部が少しずつ薄くなる「女性の男性型脱毛症」、更年期頃から全体的に髪の毛が薄くなる「更年期脱毛」、皮脂の分泌が多い年代で脂漏性皮膚炎に続いて起こる「粃糠性脱毛」、若年女性に多く、急激に頭髪全体が薄くなる「特殊な円形脱毛」、出産後に一時的に薄くなり、数か月で元に戻る「産後の脱毛」、ある種の薬剤を内服している場合に起こりやすい「薬剤性休止期脱毛」、髪を同じところでくくったり分けたりしている場合に起こる「物理的な脱毛」、急なダイエットや疲労で起こる「栄養障害性脱毛」、心理的ストレスが原因で起こる「ストレス性脱毛」、何らかの感染症や基礎疾患に引き続いて起こる「全身の病気や皮膚病と関係した脱毛」などが代表的なものです。まずきちんと皮膚科専門医で診断を受けることが大切です。
■治療は?
まず何による脱毛なのかを診断することが第一です。診断の上、それぞれの病態にあった治療を行います。全身性の病気に伴うものでは原因疾患の治療を、薬剤性のものでは原因薬剤の中止を必要とすることもあります。
■洗髪のコツは?
洗髪の前のブラッシングでもつれ毛を直しておくと、大きな汚れが取れ、洗髪時の抜け毛も防げます。また、シャンプーをつける前にお湯でしっかり洗うことで70%くらいの汚れが取れてしまいます。その後シャンプーをつけて洗うのがよいでしょう。汚れ方にもよりますが、1〜3日に一度くらいの頻度で洗髪しましょう。
■サプリメントやマッサージは効果ある?
髪の素は日頃の食事に含まれている栄養素です。
無理なダイエットなどで食生活がしっかりしていないと、髪の毛もやせていってしまいます。
サプリメントは「補助食品」です。しっかりした食生活をしていれば必ずしも必要ではありませんが、「より髪に栄養を補給する」という意味はあります。海草などは髪の毛を丈夫にするのに良い成分は含まれていますが、髪の毛を増やす作用はありません。
マッサージはホドホドなら良いでしょうが、やりすぎは逆効果です。 |
しらみ(アタマジラミ・ケジラミ・トコジラミ) |
 |
 |
■アタマジラミの症状は?
主に10歳以下に多く、側頭部〜後頭部やその周囲をよく引っかきます。2〜4mm程度の虫が見えることもありますが、頭髪の根元付近に付着した0.5mm程度の白い卵で見つかることが多いです。ヘアキャストという生理的な現象と区別できない場合もありますので、皮膚科での確定診断を受けることが大切です。 |
頭髪の根本に白い虫卵が見える |
|
|
■アタマジラミの治療法は?
フェノトリン(商品名スミスリン)という薬剤を使います。処方薬ではなく、薬局などで販売されています。虫卵には効果がありませんので、虫卵が孵化するタイミングにあわせて3日に1度の処置を3〜4回繰り返します。家族にも感染している事が多いので、同時に治療をする方が良いでしょう。 |
 |
■アタマジラミはどうやって感染するの?
頭同士の接触で直接感染する事が多く、家族にも感染することがあります。ヒトから離れても成虫で72時間、虫卵で10日程度生存するので直接接触しなくても感染する事があります。衣服や寝具やクシ、共同ロッカーなどにも注意しましょう。55度以上の熱風や湯で5分以上処理すると卵・虫体ともに死滅します。ドライクリーニングも有効です。 |
 |
■アタマジラミの通園・登校の制限について
集団発生がある場合には一斉に検診を行い、同時に駆除するのが望ましいでしょう。個々に治療する場合でも、治療開始と同時に虫は死滅するので治療を開始していれば出席停止は不要です。 |
|
 |
■ケジラミの症状は?
陰部がとてもかゆくなります。約1〜2mm程度の大きさなので、肉眼でも毛にゴマを振ったように見えることもあります。毛の根元付近にくっついていることが多いので比較的簡単に見つけることができます。数が増えると陰部以外の毛にもついていることがあります。まれにまつ毛などにもつくことがあります。 |
このようにゴマを振ったように見えることもある |
|
|
■どこから感染する?
あまり動かず、人から離れると1日程度しか生きられないので、基本的には性行為感染症です。ただし、衣服などを通じて感染することがまれにあります。 |
|
■ケジラミの治療は?
アタマジラミと同様にフェノトリン(商品名スミスリン)を用います。可能なら毛を剃ってしまえばより確実です。 |
|
■トコジラミ(ナンキンムシ)とは?
約5mm程度で昼間は室内の壁や柱の割れ目などの隙間に隠れており、夜になると出てきて露出部分を刺します。グローバル化に伴い宿泊施設などを通じて自宅に虫を持って帰ってしまうこともあり、最近増加傾向です。 |
|
■トコジラミの症状は?
基本的には露出している部分を刺すので手足などに蚊に刺されたような赤いブツブツが出てきます。 |
|
■トコジラミの対策は?
燻煙型殺虫剤は押入れや柱の隙間などには入っていきづらいので効果は不十分です。また市販の殺虫剤も効果はあまりありません(シラミが居そうなところに直接噴霧すればそれなりに効果がある)。専門業者に依頼すれば駆除は可能ですが、高額で、駆除中は外泊が必要になります。効果的な対策がないのが実情といえます。 |
|
脂漏性皮膚炎 |
 |
 |
■脂漏性皮膚炎とは?
過剰な皮脂が紫外線や菌に分解されて炎症をおこしたものです。頭部脂漏性皮膚炎ではフケが多くなり、ひどくなると抜け毛の原因にもなります。 |
 |
 |
■治療は?
日常生活での対策を中心にステロイド外用剤・抗真菌剤などを使用します。フケが多い人には特殊なシャンプーも準備しています。 |
男性型脱毛症(AGA) |
 |

当院で半年間治療経過中
|
■男性の脱毛=AGAではありません
脱毛をきたす疾患は数多くあり、男性の脱毛=AGAではありません。AGAではない場合、検査・治療が必要な場合もあります。まず、専門医で他の脱毛症との鑑別をすることが大切です。
■男性型脱毛症に最も効果的なのは
現時点で最も効果的なのはプロペシアという内服薬でしょう。当院では全ての患者さんで写真撮影し、半年ごとに効果判定をしています。プロペシア内服の費用は1ヵ月8,096円(税抜き)です。
■併用療法は?
皮脂減少効果のあるシャンプーや、ミノキシジルという成分の育毛剤を併用する事がありますが、基礎疾患があると使用できないこともあり、医師の監督下に使用する必要があります。
■個人輸入に要注意!
世界中で膨大な量の医薬品がネットで流通していますが、WHO(世界保健機構)ではかなり高い割合でニセモノが流通していると警告しています。外観を似せるなど簡単で、パッケージだけで信頼はできません。特に内服薬では取り返しがつかない副作用がある危険性がありますので十分に注意してください。
■5%ミノキシジル製剤が国内でも入手可能に
AGA治療に最も効果的なのはプロペシア内服ですが、外用育毛剤の中ではミノキシジルという成分を含む育毛剤が最も有効と考えられています。2009年末頃より5%ミノキシジルを含む大正製薬のリアップX5が市販され、日本国内でも入手できるようになっています。必要な方は薬剤師の指導を受けて使用してもよいでしょう。
■AGA治療への貢献で感謝状をいただいています
当院では経過を追った写真撮影で、多くの患者さんにAGA治療を行っており、治療への貢献に感謝状をいただいています。今後も客観的なデータに基づいたAGAの治療を続けていきます。
|
とびひ |
 |

ひっかいて周りに増えていく 
ジクジクし始めたらトビヒのサイン |
■とびひって何ですか?
とびひは皮膚表面の湿疹やキズにバイキンがついて炎症を起こした状態です。子供に夏に多い病気です。
■とびひ予防は? 湿疹やアトピーなど、皮膚バリアが弱って起こります。ステロイドは使わなければいけない時に使わずにいるととびひになり、不必要に強い薬では副作用が出ます。皮膚の状態にあわせて細かい調整をします。
■学校や保育園は休まないといけない?
ガーゼなどでカバーしていれば登園可能な所と、全面禁止の所があります。通っている施設に問い合わせてみましょう。きちんと治療してガーゼで傷をカバーしていればうつりません。 |
にきび |
 |

大人ニキビは
顔下半分〜顎によく出る

胸のニキビは
マラセチア毛包炎のことがあり、
治療方法が異なります。 |
■顔のニキビと体のニキビ
ニキビは10歳前後から出始め、経過が長い人では30代以降でも出続けることがあります。また、体のニキビはマラセチア毛包炎というニキビとは別の原因でできる事もあり、通常のニキビ治療では治りが悪いため、治療法が異なります。
■生理前・便秘で悪くなるにきび
ホルモンバランス・腸内環境の悪化で悪くなることもあります。漢方薬など体全体のバランスを整える薬が必要なこともあります。
■日常生活でのニキビケア製品
自分にあえば、市販のもので十分でしょう。ただし、市販品は皮膚を乾燥させすぎるものが多い傾向があり、特に冬では逆に乾燥しすぎてニキビがひどくなることが多いので注意が必要です。冬は保湿をしっかりしましょう。
■新しいニキビ治療薬「アダパレン(商品名ディフェリン(R)」が効果的
以前から欧米のニキビ治療で中心的に使われてきたアダパレンという薬が2008年11月から日本でも病院で処方できるようになりました。非常に効果が高い薬で、ニキビ治療が劇的に変わってきています。日本では下の図のように「膿んでから治す」薬しかなかったのですが、アダパレンを使用して「新しいニキビを作らないようにする」ことで、キズや赤みを残さないように治せるようになってきています。ケミカルピーリングより効果がかなり高いと考えられています。
|
 |
 |
|
■アダパレンは「効果的だが使い方が難しい薬」〜副作用も多いので専門医での治療を〜
アダパレンは画期的な薬ですが、デメリットもあります。
- 妊娠中及び授乳中は使えない
- 使い始めの一ヶ月程度は80%の人で赤みや痒みがおこる。(二ヶ月目からはおさまってくる)
- 角層が薄い状態が続くので、紫外線に弱くなる。(長時間外で活動する人には向かない)
- アトピー性皮膚炎や乾燥肌の人では皮膚の状態が悪いときに使用すると細菌・ウイルス感染のリスクがある。
このため、どんなニキビの人にも安全に使用できる訳ではありません。専門医で皮膚の状態を確認した上で処方をうけるようにして下さい。さらに詳しい情報は下記をご参照ください。
http://www.nikibi-hifuka.jp/
■ニキビ跡(赤み・凹み)の治療は?
ニキビ跡の赤みは炎症で破壊された組織を修復するために血管が増えた状態です。
長くても一年もあれば増えた血管は元に戻るので膿んだニキビを作らない状態を続ける事が最も効率的な治療と思われます。凹みを改善する治療法としては現時点ではフラクショナルレーザーが最も効果的と考えられています。 |
麻疹(はしか)・風疹 |
 |

■麻疹では次第にくっついて大きな赤い斑点になります。
■麻疹では顔面から始まり体に赤い斑点が広がっていく。 |
|
 |
|
■風疹・麻疹(はしか)は子供だけの病気ではない
「麻疹(はしか)」はかつて子供の頃にかかる人が多かったのですが、社会の変化で子供の頃に予防接種をしたことがあっても感染することがあったり、予防接種をきちんと受けられなかった10〜20代の若年者での流行が確認されています。風疹もはしかほどではありませんが、10歳以上での初感染が増えてきています。 |
|
■風疹・麻疹(はしか)は「命に関わることもある」病気!しかも治療法は無い!
麻疹や風疹などは一般に大人になってかかるほうが重症化しやすい傾向があります。また、重症脳炎や肺炎などを合併することがあり、麻疹では1000人に1人は死亡することがあります。しかも、一度発症したら特効薬が無いので、栄養補給や入院で体力を増強して「自分の治癒力だけで治す」しかありません。「感染する前に予防接種で免疫をつける」のが最も確実です。 |
|
■妊婦さんがかかると、子供に障害が出ることも・・・
特に「風疹」では妊婦が感染すると胎児に「先天性風疹症候群」という先天的な病気が発症する危険が高くなる事が知られています。「感染しても自分は健康だから大丈夫」ではなく、周りの人や大切な人のためにリスクの高い人は予防接種を受けておきましょう。 |
|
■どんな人が予防接種を受けるべき?
2013年になり、風疹が大流行していますが、風疹の予防接種を受けた方がいい人の多くは麻疹の予防接種も受けた方が良いので、当院では麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)の接種を勧めています。公的な助成がない(岡山市の場合、2013年6月現在)ため、自費(7,620円 税抜き)となります。身近に妊娠する可能性がある方はもちろん、社会全体できちんと予防するためには多くの方に接種を検討していただきたいと思います。
・0歳〜23歳(平成2年4月2日生まれ以降)の方はきちんと定期接種を受けていると思われるので予防接種を新たに受けなくてもよいでしょう。
・23歳〜25歳(昭和62年10月2日〜平成2年4月1日生まれ)の方はできれば接種した方が良いでしょう。
・25歳〜34歳(昭和54年4月2日〜昭和62年10月1日生まれ)の方は、ぜひ接種を受けた方が良い年代です。
・34歳以上(昭和54年4月1日生まれ以前)の方は予防接種をきちんと受けられていない年代です。基本的にはすべての方が接種を受けた方が良いでしょう。ただし、あまり高齢の方では感染の報告は多くはありません。 |
皮脂欠乏症(乾燥性皮膚炎) |
 |

特にヒザから下や
背中に多い |
■皮膚の乾燥→皮膚炎のもと!
皮膚は水分と皮脂で保護されています。気温が低下し、空気が乾燥する冬は特に高齢者・子供で皮膚のバリア機能が低下します。バリアが低下→外からの刺激が皮膚に侵入することで皮膚炎を起こすのが皮脂欠乏性皮膚炎です。
■日頃の予防で大切な事
- 部屋を乾燥させすぎないこと(皮膚の水分が蒸発しやすい)
- 体を洗ったり拭いたりするときにゴシゴシこすらないこと(ナイロンタオルとかアカスリは避ける)
- 木綿など皮膚に優しい素材の衣服を着ること(硬い素材やウールはチクチクして痒くなる)
- お風呂上りに保湿剤を塗ること(保湿剤の塗り方はこちらをご参照下さい)
- 暖房にあたりすぎない(ヒザから下をコタツやヒーターで温め過ぎると乾燥がひどくなる)
|
|
|

皮がむけて
痒みが出てくる |
■市販の保湿剤で注意すること
最近は多くのスキンケア製品が市販されており、上手に使えば大変良い製品が多くなっています。注意点は
-
皮膚にキズがある時は、尿素・レチノールなどを配合したものはかえって刺激になるので避ける
- スキンケア製品は「皮膚の水分を補給して皮膚炎を予防する」ためのもので、
「皮膚のバリアが壊れて皮膚炎になっていると逆に刺激になってしまうことが
ある」ので、痒みや痛みが出てきたら早めに皮膚科専門医を受診する
ことです。さらに詳しい情報はこちらをご参照されても良いでしょう。 |
皮膚腫瘍・皮膚癌手術 |
 |
 |
 |
 |
血管系の良性腫瘍 |
上皮系の良性腫瘍 |
足裏のホクロ(良性) |
 |
■皮膚腫瘍・皮膚癌=皮膚のデキモノ
上の写真の様に様々な皮膚腫瘍があります。良性のものが大半ですが、まれに悪性のものもあります。悪性が疑われる場合には関連病院へ紹介をします。 |
 |
■皮膚科での手術
皮膚科ではキズアトをキレイに手術するために専用の手術機器や手術方法で手術を行います。また術後の傷の管理もしっかり行うことで「キレイに治す」事に重点が置かれています。現在は当院では外来診療の都合で一部の小手術のみ行っています。 |
ヘルペス(単純ヘルペス・帯状ヘルペス) |
 |
|
■単純ヘルペス(主に唇・陰部)
ヘルペスウイルスは日頃は体の中に潜んでいて、何かのきっかけで発症します。体調が悪い=免疫力が落ちている時、直射日光を長時間浴びた後などが多いようです。
■検査・治療は?
必要に応じて検査できちんと診断してから治療します。皮膚科で30分ほどの検査でウイルスの存在を確認できます。
陰部ヘルペスではパートナーにうつさないよう注意が必要です。
■帯状疱疹(帯状ヘルペス)
水痘にかかった人にはウイルスが一生ひそんでおり、何かのきっかけで左右どちらか片方に神経痛と皮膚症状を起こします。更に詳しくは下記をご参照ください。
http://herpes.jp/z/
■検査・治療は?
必要に応じて検査できちんと診断してから治療します。水痘にかかった人が発症したりします。免疫力が低下している場合が多いのでしっかり食べてしっかり休養しましょう。 |
ペットなどから感染する皮膚病 |
 |

大きさは1cm程度から
数十cmまでさまざま |
|
■体部白癬(タムシ)
水虫(白癬菌)はペットから人間にうつる事があります。ペットの毛が抜けている所があったり、輪のようなまるい皮膚症状が出てきたら早めに皮膚科で菌の検査を受けましょう。
頭にうつると髪の毛がぬけることもあり、基本的には飲み薬で治療します。
|
■疥癬
疥癬はヒト同士でうつる病気ですが、ネコ、イヌなどのペットも疥癬になります。ヒト同士でうつる疥癬と、ペットからうつる疥癬は、 ヒト同士でうつる疥癬と症状が異なり、うつってから数時間〜1カ月程度で、ペットによく触る胸や腕に痒いブツブツが出ます。ペットは顔や四肢関節にブツブツや脱毛が出る事が多いようです。きちんとペットを治療して、2週間程度接触をさければほとんどが自然に治ります。
■ネコノミ
飼い猫や野良猫にはノミがついている事があります。ノミは20cm程飛び跳ねるので、野良猫が多い場所にいくだけで、接触しなくても刺される事があります。長くネコを飼っている人はノミに慣れて、刺されても反応が出なくなる事があります。主に膝から下に小指の腹ほどのまるくて赤くはれ上がったり水ぶくれになったりするブツブツが多発します。人間は早めに皮膚科へ、ペットは獣医へ行くようにしましょう。ノミはペットから離れても長く生きるので、布団、床や壁の隙間、家具の裏などをきちんと清掃したり殺虫剤をまくようにしましょう。
■犬や猫などから感染しやすい病気
いずれも意外に重篤な病態になる事があります。特に深い傷、汚れた傷を受けたり、免疫が低下した人(糖尿病や免疫抑制剤で治療中の人、脾臓摘出既往がある人)などでは早めに病院を受診して適切な処置を受けるようにしましょう。
●猫ひっかき病
主にネコに引っ掻かれたり咬まれたりした数日後にその部分が赤くなり、10日ほどして近くのリンパ節が腫れます(多いのは手〜腕を掻かれて脇の下のリンパ節がはれる)。軽い全身倦怠感を伴う事があり、ごくまれに重篤な合併症を起こす事がありますが、大抵は薬で治ります。猫を飼っている人で原因不明の微熱や全身倦怠が続く場合には、疑ってみる必要があります。
●パスツレラ感染症
主に犬やネコに引っ掻かれたりかまれたりした後に数十分〜2日程度で赤く腫れてきます。抗生物質が効果がありますので、早めに病院を受診しましょう。
●カプノファイトサーガ感染症
主に犬や猫に咬まれたり傷をなめられたりして感染します。健常人でも発症する事があり、死亡する事もあるようです。最近注目され始めた新しい感染症です。
巻き爪(陥入爪) |
 |
 |
|
 |
 |
■爪が肉に食い込み、バイキンが入る
深爪をしすぎたり、幅が狭い靴でよく起こります。
局所処置(ガーゼ・テーピング・人工爪)やワイヤー矯正などを行っても難治の場合には手術を行うこともあります。 |
深爪による巻き爪 |
|
感染を起こすと重症化します。 |
|
■爪の切り方で予防
ひどい巻き爪で受診される方の多くが「食い込んで痛いのでつい深爪をして・・・」と言われます。
爪は切りすぎずにやや長めにし、角は爪きりのウラのやすりで削り落とすようにすると巻き爪を予防できます。

ピンセットで両側につめる
■家庭で出来る予防策
お風呂上りの爪が柔らかいときに爪の両端に綿を詰め込んでおくと、多少の巻き爪ならそのまま治ることがあります。
■クルリと巻いた爪はワイヤーで矯正します
長い間巻き爪が続くと、爪が変形してしまうことがあります。弾性ワイヤーを使って矯正することができます。1〜2ヶ月でワイヤーを交換します。爪に穴を開けてワイヤーを通すだけなので痛みはありません。巻いている度合いによって治療期間は変わってきます。
透明なのが人工爪。下に透けて
黄色く見えるのが欠けた爪です。
■重症の巻き爪では手術や人工爪で対処
爪が完全に肉に落ち込んでいたり、感染がひどい場合には手術を行って爪の幅をせまくしたり、人工爪をつけて自分の爪が伸びてくるのを待ったりします。こういった治療法では基本的に麻酔が必要です。
みずいぼ |
 |

ツルリとして中央が少しへこむ |
■ミズイボはウイルスでうつる病気
自分の皮膚でうつって増えていくだけでなく、直接さわったりモノ(タオルやビート板など)を介して他の人にもうつります。兄弟や友達同士でうつり、小学生以下で多い病気です。
■取るのがいいの?取らないのがいいの?
ピンセットで取るのが一番早いのですが、痛い(麻酔のシールを使うと大分マシ)ので、塗り薬の治療もできます。放置しても自然にいつかは治るのですが、「いつか」がいつになるのかが子供によって違います。あまりに増えすぎたり、大きくなりすぎたりしてから取るのは痛くてかえってかわいそうなので、皮膚の状態や増え方を診て、早めに取った方がいいか、経過観察するかケースバイケースで判断しています。 |
水虫・タムシ・爪の水虫 |
 |

足指の間のジクジク水虫 |

足の裏の
カサカサ水虫 |
|

足の爪水虫 |

股のタムシ |
 |
■水虫について知りましょう
足だけでなく、爪や頭・股など体のどこにでも起こります。体にできたものを一般的にタムシと呼びます。カサカサタイプやジクジクタイプ、小水疱タイプなど多様なパターンがあります。 |
 |
 |
ヒモのようなのが水虫 |
|
「足の痒み=水虫」とは限りません!
「水虫と言われて薬を買った(処方された)けど治らなくて」と来院される患者さんの5割近くが水虫ではありませんでした(2007年夏の4ヶ月間の当院での調査)。水虫は数多い足の皮膚病の一つで、痒くない水虫さえあります。顕微鏡で検査・診断をうけてから水虫治療をするようにしましょう。 |
 |
■爪の水虫には飲み薬が効果的
塗り薬は爪には効果が劣ります。飲み薬は7〜8割の人に効果があります。ただ、爪が変型・変色する病気は多くあり、「爪の変型・変色=爪の水虫ではない」ので、やはりきちんと顕微鏡で検査・診断をうけてから治療にかかる事が大切です。 |
|
やけど |
 |
 |
■まずどうすべきか?
水道の流水で冷やすのが効果的です。30分は冷やしましょう。爆発による顔のやけど・広範囲のやけど以外は家で30分流水で冷やした後に保冷材などで冷やしながら病院へ行きましょう。 |
やけどの水ぶくれは
少し遅れてできる |
|
|
■爆発などの顔の火傷は要注意!
熱い空気を吸い込んで息の通り道をやけどしている恐れがあります。後から腫れて窒息することがあります。皮膚を冷却しながら入院施設のある病院へ行きましょう。皮膚科・形成外科があればなお良いでしょう。 |
 |
■低温やけどに要注意!
足ごたつ・ホットカーペット・アンカ・カイロ・ヒーターの前でのうたたね・・・低温やけどの原因はたくさんあります。治るまでに数ヶ月かかったり手術になることもあり、要注意です。 |
 |
■「乾かさずに治すばんそうこう」に要注意!
最近キズ治療は「閉鎖療法」という乾かさずに治す治療法があり、市販されている製剤もありますが、ある程度以上深いキズ・やけどではかえって悪くなる危険があります。キズの深さを見て閉鎖療法をして良いかどうか判断する必要があり、キレイに治すという面からも専門医での診察が大切です。 |
|